エッセー「女が築いた日本国」第十三回 三田誠広 第十三回 伊勢物語の謎 話が横道に逸れることになるのだが、斎宮の起源について語ったついでに、最も有名で謎めいた斎宮について、ここに記しておくことにする。 それは言うまでもないことだが、『伊勢物語』に出てくる斎宮の物語だ。 タイトルには「伊勢... 2025.09.13エッセー三田誠広
シネコラム第707回 亀は意外と早く泳ぐ 第707回 亀は意外と早く泳ぐ令和七年八月(2025)新宿 テアトル新宿 三木聡監督の映画は以前から好きで、たくさん観ているのだが、どういうわけか、一番基本ともいうべき三木聡らしさ満載の『亀は意外と早く泳ぐ』が未見だった。 というのも、私は... 2025.09.08シネコラム
エッセー「女が築いた日本国」第十二回 三田誠広 第十二回 神宿る女――斎宮について 伊勢神宮には、内宮と外宮のほかに、「斎宮」というものがある。「さいぐう」と音読みすることが多いのだが、昔は「いつきのみや」と訓じていた。 斎宮はいまは存在しないのだが、斎宮跡とされる広大な遺蹟が残されてい... 2025.09.05エッセー三田誠広
頼迅一郎(平野周)第64回『恋する日本史』(吉川弘文館) 『恋する日本史』『日本歴史』編集委員会 (編集)、吉川弘文館 始めてこのタイトルを見たとき、日本史に恋した学者さんのお話かと思いました。 でも、違ったのです。日本史の各時代で恋愛がどのような形を取ってきたかを研究してものでした。 そのことを... 2025.08.30頼迅一郎(平野周)頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー
エッセー「女が築いた日本国」第十一回 三田誠広 第十一回 箸墓の御陵は卑弥呼の墓なのか いま東京から、奈良に行こうとすると、新幹線で京都まで行き、近鉄に乗り換えて南に向かうことになる。途中の大和西大寺駅(駅前で安倍元首相が襲撃されたことで知られる)で乗り換えて奈良に向かうのだが、そのまま... 2025.08.29エッセー三田誠広
シネコラム第705回 男はつらいよ フーテンの寅 男はつらいよ フーテンの寅昭和四十九年五月(1974)大阪 千日前 弥生座 渥美清が三遊亭歌笑役で主演した『おかしな奴』は三年後の一九六六年十月からフジテレビでドラマ『おもろい夫婦』として放送され、企画と演出のプロデューサー小林俊一は渥美清... 2025.08.25シネコラム
エッセー「女が築いた日本国」第十回 三田誠広 第十回 なぜ日本は「日本」と呼ばれるのか ぼくたちの国は、「日本」と呼ばれている。 いま文字で書いたから、何の違和感もなかったが、これをどう発音するのか。「日本人」「日本語」「日本橋」……。これは「ニホン」と発音する。 それでもスポーツの国... 2025.08.22エッセー三田誠広
シネコラム第704回 おかしな奴 第704回 おかしな奴令和七年七月(2025)神田神保町 神保町シネマ 渥美清といえば、『男はつらいよ』の寅さんこと車寅次郎が一番の当たり役だが、さらにぴったりの役が実在の落語家、三代目三遊亭歌笑だと私は思う。中学生の頃、渥美清が歌笑を演じ... 2025.08.16シネコラム
エッセー「女が築いた日本国」第九回 三田誠広 第九回 瀬戸内海というワームホール ぼくたちが生活しているこの国は、「日本」と呼ばれている。『日本書紀』では、この「日本」という漢字を、「やまと」と訓じている(『古事記』では「倭」をあてる)。 神武天皇の和風諡号はカムヤマトイワレヒコ(神日... 2025.08.15エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第八回 三田誠広 第八回 山の神と海の神 日本は自然に恵まれた場所だ。 気候は温暖で、四季があり、穀物や果実がよく育つ。海からは魚がとれる。 山と海。これが重要だ。 ただ太陽があるだけでは、砂漠のような不毛な場所にしかならない。 ユダヤ教、キリスト教、イスラ... 2025.08.09エッセー三田誠広