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シネコラム

第714回 喜劇女の泣きどころ

第714回 喜劇女の泣きどころ昭和五十年二月(1975)大阪 阿倍野 近畿地下劇場 ラピュタ阿佐ヶ谷の瀬川昌治特集で上映中の『喜劇女の泣きどころ』を最初に観たのは、今から五十年前、場所は大阪阿倍野にあった近畿地下劇場。当時大阪で学生だった私...
エッセー

「女が築いた日本国」第二十三回 三田誠広

第二十三回 女系天皇の可能性 手白香皇女の子息(養子であってもわが子として育てている)の欽明天皇は、おそらく太古からの慣例で、三十歳になるまで即位できなかった。 そのため、二人の兄(継体天皇の長男と次男)が中継ぎとして皇位に就く。これは応神...
合評会

生田修平 「寝返り」

→PDF版で読みたい方はこちら寝返り 生田修平プロローグ 私は大学で水と油をつなぐ「界面活性剤」を勉強している。東アジアにある某国の政治史を研究していたおばあちゃん(祖母)が「政治の世界でも水と油がくっつくことがある」として次のような話をし...
エッセー

「女が築いた日本国」第二十二回 三田誠広

第二十二回 田舎のおじさんの登場 さて今回は、こんな話から始めたいと思う。 妊婦の腹を裂いて胎児を取り出した。人の爪を抜いて芋を掘らせた。人を木に登らせてその木を切り倒して殺した。池の端の樋に人を入れて水とともに流れ出る人を矛で刺した。貢ぎ...
イベント

「文学フリマ東京41」へのご来場とご協力のお願い

日本歴史時代作家協会では、本年5月に続いて11月23日(日・祝)に東京ビッグサイトで開催される「文学フリマ東京41」にブース出店をいたします。「文学フリマ」は、作り手が「自らが《文学》と信じるもの」を自らの手で販売する、文学作品展示即売会で...
エッセー

「女が築いた日本国」第二十一回 三田誠広

第二十一回 飯豊青皇女の執政 万世一系といわれる日本の天皇の系譜のなかに、女帝は八人いる。 二人は江戸時代に入ってからの女帝で、これはもう天皇に権威がなかった時代のことだから、この連載で採り上げるつもりはない。 古代の六人については言及しな...
シネコラム

第712回 フランケンシュタイン(2025)

第712回 フランケンシュタイン(2025)令和七年十一月(2025)池袋 シネマロサ コロナ以降、試写室ではなく配信だけの試写が増えた。そればかりか、家にいて古今東西の映画やドラマが見放題というインターネットの動画配信サービスもあり、世の...
頼迅一郎(平野周)

第66回『三河吉田藩・お国入り道中記』(インターナショナル新書)

『三河吉田藩・お国入り道中記』(久住祐一郎・インターナショナル新書)松平伊豆守信綱といえば、「知恵伊豆」として有名です。徳川三代将軍家光に仕え、老中として島原の乱の鎮圧、幕府初期の制度的安定に寄与したことで知られています。信綱自身は、河越藩...
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「女が築いた日本国」第二十回 三田誠広

第二十回 任那とは何か ぼくが小学生だったころ、というと、70年くらい前のことになってしまうが、社会科の教科書には、任那日本府という記述があった。 小学生のぼくも、そんなものかと思っていたのだが、そのうち教科書の記述が二転三転するようなこと...
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「女が築いた日本国」第十九回 三田誠広

第十九回 いよいよ神功皇后が登場する ようやく、神功皇后の話をする時が来た。 日本の歴史上、最高クラスのヒロインであることは確かだ。 日本の歴史には、すごい女性がいっぱいいる。持統女帝、紫式部、北条政子……挙げていけばキリがないほどだ。ぼく...