エッセー「女が築いた日本国」第二十六回 三田誠広 第二十六回 皇極・斉明女帝の謎 皇極女帝は一度退位したあとで、重祚(天皇に二度なること)して斉明女帝となった。 そこには謎がある。 二度も天皇になった人物は、歴史上二人しかいない(もう一人は奈良時代の孝謙・称徳女帝)。 その一人目だから、空... 2025.12.13エッセー三田誠広
お悔やみさよなら 藤井邦夫さん 会員で作家の藤井邦夫(ふじい・くにお)さんが、10月12日(日)未明、心不全のため東京都内でご逝去されました。享年78でした。藤井さんは北海道のご出身。大学卒業後に東映へ入社し、助監督、監督や脚本家を経て、テレビドラマ「特捜最前線」や「暴れ... 2025.12.07お悔やみ
シネコラム第716回 破れ傘長庵 第716回 破れ傘長庵令和七年十一月(2025)神保町 神保町シアター かつて一九七〇年代の半ば、中村錦之助が萬屋錦之介に改名してから作られたTV時代劇に『破れ傘刀舟悪人狩り』があり、主人公は腕のいい長崎帰りの医者で、酒好きだが正義のために... 2025.12.06シネコラム
エッセー「女が築いた日本国」第二十五回 三田誠広 第二十五回 推古女帝はなぜ天皇になったのか 江戸時代に始まった男尊女卑の思想は、敗戦を契機にいくぶんかは緩和されたのだが、学者の多くは戦前のままの、頑固な思い込みを棄てきれていない。 古代の女帝は緊急の場合のつなぎであったり、陰で政治を支配... 2025.12.06エッセー三田誠広
頼迅一郎(平野周)第67回『伝説の将軍 藤原秀郷〈新装版〉』(吉川弘文館) 『伝説の将軍 藤原秀郷〈新装版〉』(野口実、吉川弘文館) 藤原秀郷といえば、平将門を討った武将として有名です。また、ムカデ退治の田原藤太秀郷としても有名です。 ただし、本書は同じ出版社で発行されている「人物叢書シリーズ」のような人物評伝では... 2025.12.04頼迅一郎(平野周)頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー
エッセー「女が築いた日本国」第二十四回 三田誠広 第二十四回 堅塩媛と小姉君 ぼくの話はすぐに横道に逸れる。 話を本流に戻して、最初の女帝、推古女帝から歴代の女帝について語っていきたいと思っているのだが、その前に、欽明天皇の跡を継いだ天皇の母親について、話をしておきたいと思う。 欽明天皇の... 2025.11.29エッセー三田誠広
合評会生田修平 「幽霊」 →PDF版で読みたい方はこちら幽霊 生田修平 真夏の上野、午後4時、私は幽霊を見た。サラリーマンの格好をして、足があった。手はだらんと下におろすいつもの幽霊のポーズでガラス張りのビルの中を歩いていた。 会社に戻り、早速、同僚にその旨報告した... 2025.11.29合評会
シネコラム第714回 喜劇女の泣きどころ 第714回 喜劇女の泣きどころ昭和五十年二月(1975)大阪 阿倍野 近畿地下劇場 ラピュタ阿佐ヶ谷の瀬川昌治特集で上映中の『喜劇女の泣きどころ』を最初に観たのは、今から五十年前、場所は大阪阿倍野にあった近畿地下劇場。当時大阪で学生だった私... 2025.11.22シネコラム
エッセー「女が築いた日本国」第二十三回 三田誠広 第二十三回 女系天皇の可能性 手白香皇女の子息(養子であってもわが子として育てている)の欽明天皇は、おそらく太古からの慣例で、三十歳になるまで即位できなかった。 そのため、二人の兄(継体天皇の長男と次男)が中継ぎとして皇位に就く。これは応神... 2025.11.22エッセー三田誠広
合評会生田修平 「寝返り」 →PDF版で読みたい方はこちら寝返り 生田修平プロローグ 私は大学で水と油をつなぐ「界面活性剤」を勉強している。東アジアにある某国の政治史を研究していたおばあちゃん(祖母)が「政治の世界でも水と油がくっつくことがある」として次のような話をし... 2025.11.20合評会