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頼迅一郎(平野周)

第37回「戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む」 (講談社選書メチエ)

頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー37「戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む」 (上田信、講談社選書メチエ)  下記の年表は、35回のときのものにいくつか足したものです。 1334 建武の新政 1338 足利尊氏征夷大将軍となる...
シネコラム

第610回 サムライの子

第610回 サムライの子平成二十二年十二月(2010)阿佐谷 ラピュタ阿佐ヶ谷 山中恒の児童文学『サムライの子』を講談社文庫で読んだのが一九七〇年代半ば、私の学生時代であった。二〇〇九年の十月に南田洋子が亡くなり、翌年にラピュタ阿佐ヶ谷で追...
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第609回 泥の河

第609回 泥の河昭和五十九年五月(1984)虎ノ門 虎ノ門ホール 社会派であることと、技巧派であることは決して矛盾しない。時代色を出すモノクロ画面。めりはりのある映像は気持ちがいい。 終戦後間もない大阪の安治川のうどん屋を舞台にした宮本輝...
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第608回 1秒先の彼

第608回 1秒先の彼令和五年七月(2023)府中 TOHOシネマズ府中 台湾映画『1秒先の彼女』を日本でリメイクした『1秒先の彼』は風変りな時間SFというかファンタジーであり、同時に京都の映画でもある。 最初の場面、若い男が交番に大事なも...
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第607回 アバウト・タイム ~愛おしい時間について~

第607回 アバウト・タイム ~愛おしい時間について~平成二十六年十月(2014)京都 TOHOシネマズ二条 SFの分野であるタイムトラベルは犯罪アクションになったり、コメディになったり、いろいろと使えるが、過去に戻って恋愛の失敗を修正する...
頼迅一郎(平野周)

第36回「戦国時代を読み解く新視点」(PHP新書)

頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー36「戦国時代を読み解く新視点」(歴史街道編集部編、PHP新書)  本書は、題名の通り最新の歴史学の成果を活かして新たな視点で戦国時代に斬り込んだ本です。歴史街道編集部編とありますので、おそらく雑誌『歴史街...
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第606回 ターゲット

第606回 ターゲット平成二十五年九月(2013)新宿 シネマート新宿 黒澤明監督『生きる』の英国版リメイク『生きる LIVING』に主演したビル・ナイはエドガー・ライトのコメディからシリアスな『ミナマタ』まで様々な作品で活躍する名脇役で、...
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第605回 バグズ・ライフ

第605回 バグズ・ライフ平成十一年四月(1999)新所沢 レッツシネグリーン 黒澤明監督の偉大さを思う。こんなところにまで影響しているとは。 そこは虫の世界である。アリの島では働き者のアリたちがせっせと食糧を収穫し、祭壇に積み上げている。...
頼迅一郎(平野周)

第35回「世界を動かした日本の銀」 (祥伝社新書)

頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー35「世界を動かした日本の銀」 (磯田 道史、近藤 誠一、伊藤 謙 ほか、祥伝社新書) 銀というと、オリンピックの金銀銅メダルを思い浮かべる方も多いと思いますが、同時に石見(大森)銀山を思い浮かべる方も多い...
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第604回 生きない

第604回 生きない平成十一年十一月(1999)京橋 フィルムセンター小ホール よくできた喜劇である。タイトルからすると、黒澤監督の『生きる』を茶化したパロディを連想するが、まったく関連しない別の話で、まず設定が面白い。 生きる希望を失った...