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雨宮由希夫

書評『橋場の渡し 名残りの飯』

書名『橋場の渡し 名残りの飯』著者 伊多波 碧発売 光文社発行年月日  2021年9月20日定価  ¥680E橋場の渡し (光文社文庫)作者:伊多波碧光文社Amazon  4つの短編連作の「市井人情もの」時代小説集。 伊多波碧(いたばみどり...
シネコラム

第451回 偽りの隣人 ある諜報員の告白

第451回 偽りの隣人 ある諜報員の告白令和三年八月(2021)新橋 TCC試写室  これはふたりの男の友情の物語である。 ユ・デグォンは正義感の強い愛国者であり、国家安全政策部の諜報員として活動している。 イ・ウィシクは現政権に批判的な民...
シネコラム

第450回 アナザーラウンド

第450回 アナザーラウンド令和三年九月(2021)新宿 新宿武蔵野館  酒好きにとっては酒は百薬の長である。が、下戸にとっては百害あって一利なし、命を削る鉋とも言われる。なにごともほどほどがいいのだが、一線を越えると後戻りできなくなり、一...
シネコラム

第449回 フリー・ガイ

第449回 フリー・ガイ 令和三年八月(2021)立川 シネマシティ2  フリーシティの銀行員ガイの一日は判で押したように規則正しい。朝、ベッドで目覚め、飼っている金魚に挨拶し、青いシャツに着替えて、出勤前にいつものコーヒーショップでいつも...
シネコラム

第448回 レッド・ドラゴン

第448回 レッド・ドラゴン 平成十五年三月(2003)所沢 シネセゾン所沢 『羊たちの沈黙』がヒットし、続編の『ハンニバル』が作られ、そして『レッド・ドラゴン』である。これは続編というより『羊たちの沈黙』以前の物語となっている。 FBI捜...
シネコラム

第447回 羊たちの沈黙

第447回 羊たちの沈黙平成三年十一月(1991)池袋 文芸坐  不気味な映画だった。おぞましい場面があるからぞっとするのではない。映像と音楽と俳優たちの演技で不気味な雰囲気を醸し出していた。 ジョディ・フォスターふんするFBI実習生クラリ...
シネコラム

第446回 キャラクター

第446回 キャラクター 令和三年六月(2021)六本木 TOHOシネマズ六本木ヒルズ  ホラー漫画を愛する青年がいる。山城圭吾は長年、著名な漫画家のアシスタントをしながら、なんとか独立して一本立ちしようと新人賞に応募し続けている。いつもい...
雨宮由希夫

書評『果ての海』

書名『果ての海』                    著者 花房観音発売 新潮社発行年月日  2021年8月30日定価  ¥1750E 果ての海作者:花房観音新潮社Amazon  花房観音の最新作『果ての海』は舞台を日本海側のわびしい町、...
シネコラム

第445回 プロミシング・ヤング・ウーマン

第445回 プロミシング・ヤング・ウーマン令和三年七月(2021)立川 キノシネマ立川  凄惨な復讐劇でありながら、どことなくユーモラスで、方向が変わればラブコメディになっていたかもしれないと思わせる奇妙な味わいである。 カサンドラ・トーマ...
頼迅一郎(平野周)

第13回「地図で考える中世」(吉川弘文館)

頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー13『地図で考える中世 ―交通と社会―』榎原雅治・吉川弘文館) 歴史・時代小説を書くためには、その時代の景色や生活を理解する必要があります。日本の中世を舞台に、あるいは背景にした作品はそれほど多くありません...