riryu.k

頼迅一郎(平野周)

第53回「太田道灌と武蔵・相模 ―消えゆく伝承や古戦場を訪ねて」(戎光祥出版)

頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー53「太田道灌と武蔵・相模 ―消えゆく伝承や古戦場を訪ねて」(伊藤一美、戎光祥出版) 太田道灌は、扇谷上杉家の家宰であり、長尾景春の乱を鎮め、江戸城を築いた歌人武将です。主君扇谷上杉定正に暗殺されるという悲...
シネコラム

第672回 ラムの大通り

第672回 ラムの大通り令和六年十月(2024)新宿 新宿武蔵野館 昔は映画は映画館で観るしかなかった。封切りで見逃せば二番館や名画座などに回ってくるのを待つ。TVでの放映は画面が切られ、時間も短縮され、CMで何度も中断されて観ている気がし...
シネコラム

第671回 侍タイムスリッパー

第671回 侍タイムスリッパー令和六年九月(2024)府中 TOHOシネマズ府中 私が若い頃は毎日のようにTVで時代劇が放送されていた。人気シリーズは繰り返し作られ、TV局各社が毎週新作を放送し、深夜や昼間の時間帯には再放送もあった。話題の...
シネコラム

第670回 ラストマイル

第670回 ラストマイル令和六年九月(2024)新宿歌舞伎町 TOHOシネマズ新宿 ブラックフライデーはアメリカの感謝祭の翌日の金曜日に行われる大安売りで、ショッピングモールでの惨劇を描いた映画『サンクスギビング』が生々しい。 感謝祭のない...
シネコラム

第669回 フォールガイ

第669回 フォールガイ令和六年九月(2024)立川 シネマシティ2 映画を題材にした映画は、たいてい映画ファンの心をそそる。 フォールガイとは落ちる男、あるいは身代わりといった意味があり、映画界のスタントマンを現す用語らしい。この映画はタ...
頼迅一郎(平野周)

第52回「三好一族 ―戦国最初の『天下人』」 (中公新書)

頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー52「三好一族 ―戦国最初の『天下人』」 (天野忠幸、中公新書) 応仁の乱の最中、文明5年に9代将軍になったのは足利義尚です。その後、10代が足利義材、11代が足利義澄、10代義材が返り咲いて足利義稙、そし...
シネコラム

第668回 一日だけの淑女

第668回 一日だけの淑女令和六年八月(2024)渋谷 シネマヴェーラ デイモン・ラニアンを初めて読んだのは、高校三年の夏休み、初めて買った早川のミステリマガジンに掲載の『ミス・サラー・ブラウンのロマンチックな物語』で、翻訳は加島祥造だった...
シネコラム

第667回 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

第667回 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン令和六年七月(2024)新宿歌舞伎町 TOHOシネマズ新宿 このタイトルでまず頭に浮かぶのが、フランク・シナトラ他、多くの歌手が歌っているロマンチックなジャズの名曲である。「言い換えると、アイ・ラブ...
頼迅一郎(平野周)

第51回「竹林の七賢」 (講談社学術文庫)

頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー51「竹林の七賢」 (吉川忠夫、講談社学術文庫)「竹林の七賢」と聞いて、どのようなイメージを持ちますか? わたしが初めて知ったのは、まだ10代前半の頃でした。鳥山喜一の『黄河の水』を読んだときです。その中で...
シネコラム

第666回 死に花

第666回 死に花平成十六年五月(2004)新宿 新宿スカラ3 草笛光子主演の『九十歳。何がめでたい』を観て、二十年前の映画『死に花』を思い出した。だれでもみんな歳をとる。どういう老後を過ごすのが幸せだろうか。老化を悲観せず、前向きにとらえ...