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第276回 フォレスト・ガンプ

第276回 フォレスト・ガンプ平成七年三月(1995)渋谷 渋東シネタワー2 この映画がヒットしたとき、TVのニュースでアカデミー賞の話題が出て、身障者が自活するシリアスな映画として取り上げていたのには驚いた。落語の与太郎がまったく偶然にと...
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第275回 なつかしい風来坊

第275回 なつかしい風来坊平成元年八月(1989)武蔵小杉 川崎市民ミュージアム映像ホール 山田洋次監督は『男はつらいよ』以前にハナ肇主演の作品を八本撮っていて、『馬鹿まるだし』『いい加減馬鹿』『馬鹿が戦車でやって来る』などタイトルに馬鹿...
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第274回 馬鹿が戦車でやって来る

第274回 馬鹿が戦車でやって来る平成元年十二月(1989)銀座 並木座 山田洋次監督が『男はつらいよ』以前に作っていたのが『馬鹿まるだし』から始まる馬鹿シリーズ。主演はハナ肇。乱暴者の馬鹿な男が高嶺の花の美女に一途な恋心を寄せるあたり、後...
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第273回 男はつらいよ お帰り寅さん

第273回 男はつらいよ お帰り寅さん令和元年十月(2019)築地 松竹試写室 かつて、お正月といえば寅さんだった。渥美清の死後二十年以上経って作られた新作『男はつらいよ お帰り寅さん』は後日談であり、主人公は甥の満男である。 満男にはその...
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第272回 番外編 2019年ベストテン

第272回 番外編 2019年ベストテン 私が所属する日本映画ペンクラブでは、年末になると、その年の一月一日から十二月三十一日までに劇場で封切られ公開された映画の中から、日本映画と外国映画のベストファイブ、ドキュメンタリー文化映画ベストスリ...
雨宮由希夫

書評『桔梗の旗 明智光秀と光慶』

書名『桔梗の旗 明智光秀と光慶』著者 谷津矢車発売 潮出版社発行年月日  2019年12月5日定価  ¥1500E 桔梗の旗 明智光秀と光慶作者:谷津 矢車出版社/メーカー: 潮出版社発売日: 2019/12/05メディア: 単行本(ソフト...
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第271回 博士の異常な愛情

第271回 博士の異常な愛情昭和五十年八月(1975)大阪 中之島 SABホール  最初に観たキューブリックの映画は『時計仕掛けのオレンジ』で、まだ私が十代のころだ。そのとき、この映画『博士の異常な愛情』を知り、変なタイトルだな、と思った。...
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第270回 チャンス

第270回 チャンス令和元年五月(2019)池袋 新文芸坐 子供の頃からお屋敷に住み込みで仕えている中年の庭師チャンス。屋敷から一歩も出たことがなく、正規の教育も受けていないので読み書きができず、庭の手入をする以外は、ただ一日中TVを見て過...
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第269回 くちづけはタンゴの後で

第269回 くちづけはタンゴの後で平成八年十一月(1996)有楽町 スバル座  コーネル・ウールリッチがウィリアム・アイリッシュ名で発表した『死者との結婚』は読む者の不安をかきたてる。貧しい妊婦がやくざな男に捨てられ、たまたま乗った列車で親...
頼迅一郎(平野周)

第9回「危険な『美学』」(インターナショナル新書)

頼迅庵の新書・専門書ブックレビュー9『危険な「美学」』 (津上英輔・インターナショナル新書)1.歴史時代小説の時代区分について 歴史時代小説の対象となる時代はいつからでしょうか? 私が少年の頃は、明治以前という暗黙の了解があって、だいたい明...