エッセー「女が築いた日本国」第二十七回 三田誠広 第二十七回 間人皇女の謎 大化改新と昔は呼んでいたが、いまは乙巳の変と呼ばれている。 三韓の使節を迎える板葺宮という当時の皇居内で、若い皇子が大臣を斬り殺したという、恐るべきテロリズムであり、驚天動地のクーデターだった。 殺した側から見れば... 2025.12.20エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第二十六回 三田誠広 第二十六回 皇極・斉明女帝の謎 皇極女帝は一度退位したあとで、重祚(天皇に二度なること)して斉明女帝となった。 そこには謎がある。 二度も天皇になった人物は、歴史上二人しかいない(もう一人は奈良時代の孝謙・称徳女帝)。 その一人目だから、空... 2025.12.13エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第二十五回 三田誠広 第二十五回 推古女帝はなぜ天皇になったのか 江戸時代に始まった男尊女卑の思想は、敗戦を契機にいくぶんかは緩和されたのだが、学者の多くは戦前のままの、頑固な思い込みを棄てきれていない。 古代の女帝は緊急の場合のつなぎであったり、陰で政治を支配... 2025.12.06エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第二十四回 三田誠広 第二十四回 堅塩媛と小姉君 ぼくの話はすぐに横道に逸れる。 話を本流に戻して、最初の女帝、推古女帝から歴代の女帝について語っていきたいと思っているのだが、その前に、欽明天皇の跡を継いだ天皇の母親について、話をしておきたいと思う。 欽明天皇の... 2025.11.29エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第二十三回 三田誠広 第二十三回 女系天皇の可能性 手白香皇女の子息(養子であってもわが子として育てている)の欽明天皇は、おそらく太古からの慣例で、三十歳になるまで即位できなかった。 そのため、二人の兄(継体天皇の長男と次男)が中継ぎとして皇位に就く。これは応神... 2025.11.22エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第二十二回 三田誠広 第二十二回 田舎のおじさんの登場 さて今回は、こんな話から始めたいと思う。 妊婦の腹を裂いて胎児を取り出した。人の爪を抜いて芋を掘らせた。人を木に登らせてその木を切り倒して殺した。池の端の樋に人を入れて水とともに流れ出る人を矛で刺した。貢ぎ... 2025.11.14エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第二十一回 三田誠広 第二十一回 飯豊青皇女の執政 万世一系といわれる日本の天皇の系譜のなかに、女帝は八人いる。 二人は江戸時代に入ってからの女帝で、これはもう天皇に権威がなかった時代のことだから、この連載で採り上げるつもりはない。 古代の六人については言及しな... 2025.11.08エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第二十回 三田誠広 第二十回 任那とは何か ぼくが小学生だったころ、というと、70年くらい前のことになってしまうが、社会科の教科書には、任那日本府という記述があった。 小学生のぼくも、そんなものかと思っていたのだが、そのうち教科書の記述が二転三転するようなこと... 2025.11.02エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第十九回 三田誠広 第十九回 いよいよ神功皇后が登場する ようやく、神功皇后の話をする時が来た。 日本の歴史上、最高クラスのヒロインであることは確かだ。 日本の歴史には、すごい女性がいっぱいいる。持統女帝、紫式部、北条政子……挙げていけばキリがないほどだ。ぼく... 2025.10.25エッセー三田誠広
エッセー「女が築いた日本国」第十八回 三田誠広 第十八回 生け贄という不思議な概念 話はまた横道に逸れてしまう。 前回、「生け贄」の話をした。ヤマトタケルが、自ら望んで十字架にかかったイエス・キリストのように、わが身を犠牲にして、神との間にウケヒ(誓約)を結んだといった話だ。 今回は、わ... 2025.10.18エッセー三田誠広