三田誠広

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「女が築いた日本国」第二十一回 三田誠広

第二十一回 飯豊青皇女の執政 万世一系といわれる日本の天皇の系譜のなかに、女帝は八人いる。 二人は江戸時代に入ってからの女帝で、これはもう天皇に権威がなかった時代のことだから、この連載で採り上げるつもりはない。 古代の六人については言及しな...
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「女が築いた日本国」第二十回 三田誠広

第二十回 任那とは何か ぼくが小学生だったころ、というと、70年くらい前のことになってしまうが、社会科の教科書には、任那日本府という記述があった。 小学生のぼくも、そんなものかと思っていたのだが、そのうち教科書の記述が二転三転するようなこと...
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「女が築いた日本国」第十九回 三田誠広

第十九回 いよいよ神功皇后が登場する ようやく、神功皇后の話をする時が来た。 日本の歴史上、最高クラスのヒロインであることは確かだ。 日本の歴史には、すごい女性がいっぱいいる。持統女帝、紫式部、北条政子……挙げていけばキリがないほどだ。ぼく...
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「女が築いた日本国」第十八回 三田誠広

第十八回 生け贄という不思議な概念 話はまた横道に逸れてしまう。 前回、「生け贄」の話をした。ヤマトタケルが、自ら望んで十字架にかかったイエス・キリストのように、わが身を犠牲にして、神との間にウケヒ(誓約)を結んだといった話だ。 今回は、わ...
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「女が築いた日本国」第十七回 三田誠広

第十七回 日本武尊とオトタチバナ姫 大幅に話が脱線したようなので、古代のテーマに戻したい。 今回は日本武尊について語る。 この人物の名前は、ヤマトタケルノミコトと読んでいただきたい。 日本武尊というのは日本書紀の表記で、古事記では倭建命とな...
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「女が築いた日本国」第十六回 三田誠広

第十六回 源平合戦とは何か 前回、平将門の話をした。 ぼくは御茶ノ水に住んでいるので、神田明神はすぐ近くだ。 正月になると、日本橋の企業の社員たちが、大挙して神田明神に押しかける。神田祭のお神輿も、そうした企業の社員たちが担いでいる。 これ...
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「女が築いた日本国」第十五回 三田誠広

第十五回 地方豪族とは何か 前回、何の説明もなく、「豪族」という言葉を用いてしまったのだが、改めて考えてみないといけない。 豪族って何なのか。 試みにウィキペディアで調べると、「国家や諸侯などの広域政権の領域の内部に存在し、ある地方において...
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「女が築いた日本国」第十四回 三田誠広

第十四回 天皇とは何か 神宿る女というテーマでここまで語ってきたのだが、その神宿る女が、いかにして国家というものに関わってきたのか、そのことを述べておきたい。 そもそも国家というものは、どのようにして成立したのだろうか。 日本という国は、い...
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「女が築いた日本国」第十三回 三田誠広

第十三回 伊勢物語の謎 話が横道に逸れることになるのだが、斎宮の起源について語ったついでに、最も有名で謎めいた斎宮について、ここに記しておくことにする。 それは言うまでもないことだが、『伊勢物語』に出てくる斎宮の物語だ。 タイトルには「伊勢...
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「女が築いた日本国」第十二回 三田誠広

第十二回 神宿る女――斎宮について 伊勢神宮には、内宮と外宮のほかに、「斎宮」というものがある。「さいぐう」と音読みすることが多いのだが、昔は「いつきのみや」と訓じていた。 斎宮はいまは存在しないのだが、斎宮跡とされる広大な遺蹟が残されてい...