三田誠広

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「女が築いた日本国」第十一回 三田誠広

第十一回 箸墓の御陵は卑弥呼の墓なのか いま東京から、奈良に行こうとすると、新幹線で京都まで行き、近鉄に乗り換えて南に向かうことになる。途中の大和西大寺駅(駅前で安倍元首相が襲撃されたことで知られる)で乗り換えて奈良に向かうのだが、そのまま...
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「女が築いた日本国」第十回 三田誠広

第十回 なぜ日本は「日本」と呼ばれるのか ぼくたちの国は、「日本」と呼ばれている。 いま文字で書いたから、何の違和感もなかったが、これをどう発音するのか。「日本人」「日本語」「日本橋」……。これは「ニホン」と発音する。 それでもスポーツの国...
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「女が築いた日本国」第九回 三田誠広

第九回 瀬戸内海というワームホール ぼくたちが生活しているこの国は、「日本」と呼ばれている。『日本書紀』では、この「日本」という漢字を、「やまと」と訓じている(『古事記』では「倭」をあてる)。 神武天皇の和風諡号はカムヤマトイワレヒコ(神日...
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「女が築いた日本国」第八回 三田誠広

第八回 山の神と海の神 日本は自然に恵まれた場所だ。 気候は温暖で、四季があり、穀物や果実がよく育つ。海からは魚がとれる。 山と海。これが重要だ。 ただ太陽があるだけでは、砂漠のような不毛な場所にしかならない。 ユダヤ教、キリスト教、イスラ...
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「女が築いた日本国」第七回 三田誠広

第七回 国土を産んだイザナミの悲劇 ぼくたちがいま、明るく楽しく生きていくことができるのは、太陽のおかげだ。 アマテラスを何よりも大事にしなければならない。 伊勢神宮は遠いけれども、そっちの方角に、遙拝するぐらいのことはしてもいい。 東京か...
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「女が築いた日本国」第六回 三田誠広

第六回  神々の婚姻――ウケヒとは何か   ところで、せっかく姉のアマテラスとウケヒをして、天界に昇ることを許されたスサノオが、なぜ根の国に赴くことになったのか。 そもそも大海原の神であったスサノオが、天界に昇っていくことになったのは、自分...
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「女が築いた日本国」第五回 三田誠広

第五回 出雲神話の大国主 前回はアマテラスとスサノオのウケヒ(誓約であり婚姻でもある)の話をした。 日本神話は、出雲系と日向系の神話が合成されているというこについても述べた。 大和朝廷は、アマテラスの孫のニニギ(邇邇藝)が日向に降臨したこと...
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「女が築いた日本国」第四回 三田誠広

第四回  出雲系と日向系の融合 話を元に戻して、アマテラスすなわち天照大神の話を続ける。 稗田阿礼が女帝にゴマをすったために、日の神が女神になった、という話をしたのだが、これはぼくの思いつきで、エビデンスがあるわけではない。 多くの研究者が...
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「女が築いた日本国」第三回 三田誠広

第三回  小倉百人一首の一番歌 鎌倉時代の半ばに藤原定家が編んだ『小倉百人一首』は、誰でも知っているだろう。 カルタとしてばらばらにしてしまうとわからないのだが、あれには順番がある。 一番歌は天智天皇、二番歌は持統女帝ということになっている...
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「女が築いた日本国」第二回 三田誠広

第二回 神宿る女――持統女帝は史上最高の独裁者 日本の歴史は、『古事記』と『日本書紀』によって始まる。 両書は、ほぼ同じ時期にまとめられた。 同じ時期にまとめられたのに、なぜ二種あるのか。 この点について確認しておきたい。 太古の時代には、...