書評・コラム

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第708回 イン・ザ・プール

第708回 イン・ザ・プール平成十九年十一月(2007) 高田馬場 早稲田松竹 奥田英朗の小説を三木聡監督がギャグ満載で映画化した『イン・ザ・プール』は公開より少し遅れて高田馬場の早稲田松竹で観た。  実力のある俳優が、計算されたギャグをき...
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第707回 亀は意外と早く泳ぐ

第707回 亀は意外と早く泳ぐ令和七年八月(2025)新宿 テアトル新宿 三木聡監督の映画は以前から好きで、たくさん観ているのだが、どういうわけか、一番基本ともいうべき三木聡らしさ満載の『亀は意外と早く泳ぐ』が未見だった。 というのも、私は...
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第706回 たそがれ清兵衛

第706回 たそがれ清兵衛平成十五年一月(2003) 渋谷 エルミタージュ 山田洋次といえば喜劇映画の巨匠である。一九六〇年代にハナ肇が主演した馬鹿シリーズが私は大好きだ。喜劇以外にも『霧の旗』のようなシリアスな名作もあるが、『男はつらいよ...
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第705回 男はつらいよ フーテンの寅

男はつらいよ フーテンの寅昭和四十九年五月(1974)大阪 千日前 弥生座 渥美清が三遊亭歌笑役で主演した『おかしな奴』は三年後の一九六六年十月からフジテレビでドラマ『おもろい夫婦』として放送され、企画と演出のプロデューサー小林俊一は渥美清...
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第704回 おかしな奴

第704回 おかしな奴令和七年七月(2025)神田神保町 神保町シネマ 渥美清といえば、『男はつらいよ』の寅さんこと車寅次郎が一番の当たり役だが、さらにぴったりの役が実在の落語家、三代目三遊亭歌笑だと私は思う。中学生の頃、渥美清が歌笑を演じ...
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第703回 エミリア・ペレス

第703回 エミリア・ペレス令和七年七月(2025)阿佐ヶ谷 Morc阿佐ヶ谷 ミュージカル仕立ての犯罪映画。メキシコで弁護士をしているリタは黒人で女性という立場から出世できずに事務所の下働き。金持ちの悪人を裁判で無罪にするほど優秀だが、給...
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第702回 DROP ドロップ

第702回 DROP ドロップ令和七年七月(2025)立川 シネマシティ だれもがスマホを持ち歩く現代。スマホはただの携帯電話ではなく、あらゆる情報が収集され蓄積された小型のパーソナルコンピュータでもある。それゆえ『スマホを落としただけなの...
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第701回 少年メリケンサック

第701回 少年メリケンサック平成二十一年十二月(2009)池袋 新文芸坐 レコード会社の契約社員かんなは新人発掘担当だが、契約が切れて退職というその日に、たまたまインターネットで無茶苦茶に暴れ回るパンクグループを見つけ、社長の時田に見せる...
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第700回 リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

第700回 リトル・ショップ・オブ・ホラーズ昭和六十三年七月(1988)中野 中野名画座『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は最初、一九六〇年にロジャー・コーマン監督でコメディ色の強いSFホラー映画として作られた。日本では劇場公開されず、そ...
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第699回 ストリート・オブ・ファイヤー

第699回 ストリート・オブ・ファイヤー昭和五十九年八月(1984)大阪 梅田 OS劇場 ウォルター・ヒルは最初、脚本家としてペキンパー監督の『ゲッタウェイ』などを書いていた。私が最初に出会った監督作品は一九七九年の『ウォリアーズ』で、不良...