シネコラム

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第718回 声をかくす人

第718回 声をかくす人平成二十四年九月(2012)渋谷 ショウゲイト試写室 俳優のロバート・レッドフォードは名監督としても数々の名作を世に送っている。 アメリカが同胞同士、南と北に分かれて戦った南北戦争。北軍の勝利は決定的となり、大尉とし...
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第717回 鍵泥棒のメソッド

第717回 鍵泥棒のメソッド平成二十四年九月(2012) 渋谷 シネクイント リー・ストラスバーグの『メソッド演技』はリアリズム演技の方法論で、演劇を勉強する俳優志望者の入門書である。『鍵泥棒のメソッド』とどうつながるのか。 主要登場人物は...
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第716回 破れ傘長庵

第716回 破れ傘長庵令和七年十一月(2025)神保町 神保町シアター かつて一九七〇年代の半ば、中村錦之助が萬屋錦之介に改名してから作られたTV時代劇に『破れ傘刀舟悪人狩り』があり、主人公は腕のいい長崎帰りの医者で、酒好きだが正義のために...
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第715回 リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界

第715回 リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界令和七年五月(2025) 日本橋 TOHOシネマズ日本橋 一九七七年、英国郊外の自宅でひとりの老女がインタビューを受ける。アメリカで美貌のファッションモデルとして売り出し、写真家に転じ、第二次大戦...
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第714回 喜劇女の泣きどころ

第714回 喜劇女の泣きどころ昭和五十年二月(1975)大阪 阿倍野 近畿地下劇場 ラピュタ阿佐ヶ谷の瀬川昌治特集で上映中の『喜劇女の泣きどころ』を最初に観たのは、今から五十年前、場所は大阪阿倍野にあった近畿地下劇場。当時大阪で学生だった私...
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第713回 宝島

第713回 宝島令和七年十月(2025)立川 TOHOシネマズ立川立飛 真藤順丈の長編小説を映画化した『宝島』は、終戦直後から本土復帰までを描いた沖縄の現代史であり、戦後八十年の今年に観るべき映画であると私は思う。 かつて、わが国はアメリカ...
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第712回 フランケンシュタイン(2025)

第712回 フランケンシュタイン(2025)令和七年十一月(2025)池袋 シネマロサ コロナ以降、試写室ではなく配信だけの試写が増えた。そればかりか、家にいて古今東西の映画やドラマが見放題というインターネットの動画配信サービスもあり、世の...
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第711回 図々しい奴(1964)

第711回 図々しい奴(1964)令和七年十月(2025) 阿佐ヶ谷 ラピュタ阿佐ヶ谷 クレイジーキャッツの谷啓は芸名の由来ダニー・ケイの『虹をつかむ男』へのオマージュ『空想天国』などでユニークな個性を発揮する。私が一番好きな主演作は『クレ...
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第710回 肉体の悪魔(1971)

第710回 肉体の悪魔(1971)令和七年十月(2025)新宿 K‘sシネマ レイモン・ラディゲの小説『肉体の悪魔』は何度か映画化されており、私が最初に観たのはジェラール・フィリップとミシュリーヌ・プレール主演、クロード・オータン・ララ監督...
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第709回 クワイエットルームにようこそ

第709回 クワイエットルームにようこそ平成二十年四月(2008)飯田橋 ギンレイホール 三木聡監督の『イン・ザ・プール』で精神科医伊良部先生を快演した松尾スズキが自作の小説を脚本にし監督したのが『クワイエットルームにようこそ』であり、精神...