シネコラム第666回 死に花 第666回 死に花平成十六年五月(2004)新宿 新宿スカラ3 草笛光子主演の『九十歳。何がめでたい』を観て、二十年前の映画『死に花』を思い出した。だれでもみんな歳をとる。どういう老後を過ごすのが幸せだろうか。老化を悲観せず、前向きにとらえ... 2024.08.03シネコラム
シネコラム第665回 九十歳。何がめでたい 第665回 九十歳。何がめでたい令和六年七月(2024)立川 立川シネマシティ 一九七〇年、私が高校生のとき、『花はくれない』というTVドラマが好きで、毎週見ていた記憶がある。長門裕之が演じる若き日の佐藤紅緑が主人公。紅緑は戦前戦中に活躍し... 2024.07.28シネコラム
シネコラム第664回 勝手にふるえてろ 第664回 勝手にふるえてろ平成二十九年九月(2017)六本木 アスミックエース試写室 綿矢りさ原作のエキセントリックなラブコメディ。 会社の経理部で働くヒロイン江藤良香、二十代半ばまで男性と付き合った恋愛経験がまったくなく、それが密かな劣... 2024.07.20シネコラム
シネコラム第663回 デトロイト・メタル・シティ 第663回 デトロイト・メタル・シティ平成二十一年二月(2009)高田馬場 早稲田松竹 田舎から上京し、東京で大学生となった根岸崇一青年。おかっぱ頭でなよなよしながらギター抱えて、人々に夢を与えたいと、大学の軽音楽サークルに属し、路上で明る... 2024.07.14シネコラム
シネコラム第662回 転々 第662回 転々平成二十年十二月(2008)飯田橋 ギンレイホール オダギリジョーと三浦友和、どちらも若い頃から絵になる二枚目スターである。このふたりがどうしようもなく情けない駄目なふたりを演じるのだ。 竹村文哉は子供の頃に親に捨てられ天涯... 2024.07.06シネコラム
シネコラム第661回 青春ジャック 止められるか、俺たちを2 第661回 青春ジャック 止められるか、俺たちを2令和六年三月(2024)新宿 テアトル新宿 俳優井浦新が若松孝二監督を演じた『止められるか、俺たちを』に続く第二弾。ではあるが、続編というよりも独立した一本になっており、一九八〇年代の映画界... 2024.06.30シネコラム
シネコラム第660回 沈黙 —サイレンス— 第660回 沈黙 —サイレンス—平成二十八年十二月(2016)飯田橋 角川試写室 篠田正浩監督の日本映画『沈黙』から四十五年後に、マーティン・スコセッシ監督が同じ遠藤周作の原作を映画化した。アメリカ映画『沈黙 —サイレンス—』である。 篠田... 2024.06.25シネコラム
シネコラム第659回 沈黙 第659回 沈黙昭和四十六年十一月(1971)大阪 千日前 東宝敷島 江戸時代の初期、幕府はキリスト教を禁じた。外国人宣教師は国外へ追放され、改宗しない日本人信者は残酷な刑罰で処刑。そんな鎖国下、マカオから長崎にイエズス会の司祭がふたり上陸... 2024.06.15シネコラム
シネコラム第658回 薔薇の名前 第658回 薔薇の名前昭和六十二年十二月(1987)新宿歌舞伎町 シネマスクエアとうきゅう 東京創元社から翻訳が出たウンベルト・エーコの『薔薇の名前』上下二冊を読んだのは、映画公開から四年以上経っていた。ショーン・コネリー主演、ジャン=ジャ... 2024.06.02シネコラム
シネコラム第657回 碁盤斬り 第657回 碁盤斬り令和六年五月(2024)立川 キノシネマ立川 主人公の浪人の名が柳田格之進、というだけで落語が好きな人にはぴんとくる。江戸の裏長屋に住む格之進は貧しいながらも誠実で気品があり、妻をなくして、娘のお絹とふたり清く質素に生き... 2024.05.27シネコラム