シネコラム第610回 サムライの子 第610回 サムライの子平成二十二年十二月(2010)阿佐谷 ラピュタ阿佐ヶ谷 山中恒の児童文学『サムライの子』を講談社文庫で読んだのが一九七〇年代半ば、私の学生時代であった。二〇〇九年の十月に南田洋子が亡くなり、翌年にラピュタ阿佐ヶ谷で追... 2023.08.18シネコラム
シネコラム第609回 泥の河 第609回 泥の河昭和五十九年五月(1984)虎ノ門 虎ノ門ホール 社会派であることと、技巧派であることは決して矛盾しない。時代色を出すモノクロ画面。めりはりのある映像は気持ちがいい。 終戦後間もない大阪の安治川のうどん屋を舞台にした宮本輝... 2023.08.16シネコラム
シネコラム第608回 1秒先の彼 第608回 1秒先の彼令和五年七月(2023)府中 TOHOシネマズ府中 台湾映画『1秒先の彼女』を日本でリメイクした『1秒先の彼』は風変りな時間SFというかファンタジーであり、同時に京都の映画でもある。 最初の場面、若い男が交番に大事なも... 2023.08.12シネコラム
シネコラム第607回 アバウト・タイム ~愛おしい時間について~ 第607回 アバウト・タイム ~愛おしい時間について~平成二十六年十月(2014)京都 TOHOシネマズ二条 SFの分野であるタイムトラベルは犯罪アクションになったり、コメディになったり、いろいろと使えるが、過去に戻って恋愛の失敗を修正する... 2023.08.10シネコラム
シネコラム第606回 ターゲット 第606回 ターゲット平成二十五年九月(2013)新宿 シネマート新宿 黒澤明監督『生きる』の英国版リメイク『生きる LIVING』に主演したビル・ナイはエドガー・ライトのコメディからシリアスな『ミナマタ』まで様々な作品で活躍する名脇役で、... 2023.08.06シネコラム
シネコラム第605回 バグズ・ライフ 第605回 バグズ・ライフ平成十一年四月(1999)新所沢 レッツシネグリーン 黒澤明監督の偉大さを思う。こんなところにまで影響しているとは。 そこは虫の世界である。アリの島では働き者のアリたちがせっせと食糧を収穫し、祭壇に積み上げている。... 2023.08.04シネコラム
シネコラム第604回 生きない 第604回 生きない平成十一年十一月(1999)京橋 フィルムセンター小ホール よくできた喜劇である。タイトルからすると、黒澤監督の『生きる』を茶化したパロディを連想するが、まったく関連しない別の話で、まず設定が面白い。 生きる希望を失った... 2023.07.30シネコラム
シネコラム第603回 生きる LIVING 第603回 生きる LIVING令和五年四月(2023)渋谷 TOHOシネマズ渋谷 だれもが絶賛する映画史上の名作をリメイクするのは無謀ともいえる。それが黒澤明作品ならなおさらで、西部劇『荒野の七人』は成功している稀有な例だが、惨憺たる黒澤... 2023.07.28シネコラム
シネコラム第602回 ミックマック 第602回 ミックマック平成二十三年四月(2011)目黒 目黒シネマ ダニー・ブーン主演の不思議な味わいのコメディ。監督が『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネなので、登場人物はみんな現実離れしている。 バジルは子供のとき、アルジェリアに出征... 2023.07.26シネコラム
シネコラム第601回 パリタクシー 第601回 パリタクシー令和五年四月(2023)新宿 新宿ピカデリー 世の中には無愛想なタクシー運転手がけっこう多い。無礼な客や無理を言う客、横柄で偉そうな客たちに度々出会うと、自然と不機嫌になるのもわからないではない。 パリのタクシー運転... 2023.07.23シネコラム