書評・コラム

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第591回 鶴八鶴次郎

第591回 鶴八鶴次郎平成四年十一月(1992)早稲田 ACTミニシアター 男女の仲はちょっとした行き違いで取り返しのつかないことになりかねないという話。川口松太郎原作の『鶴八鶴次郎』は何度も映画化TVドラマ化されていて、私は一九八三年の東...
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第590回 旅役者

第590回 旅役者平成十一年五月(1999)千石 三百人劇場 演劇好きだった若い頃、都営地下鉄千石駅前にあった三百人劇場で、劇団昴の公演を何度か観た。客席数が三百なので、三百人劇場という。忘れられないのはダニエル・キイス原作の『アルジャーノ...
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第589回 南の島に雪が降る

第589回 南の島に雪が降る平成十四年十一月(2002)池袋 新文芸坐 古書店で加東大介の著書『南の島に雪が降る』を見つけて、読んだのは一九八〇年代半ばである。加東大介といえば、黒澤明監督の『七人の侍』をはじめ、数々の映画に出ている名優で、...
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第588回 雲の上団五郎一座

第588回 雲の上団五郎一座平成十四年十一月(2002)池袋 新文芸坐 若い頃からさんざん通った池袋の文芸坐が一九九七年の三月に老朽化のため閉館した。ここで最後に観たのはセクシー美女が暴れる『カサブランカ』のパロディSF『バーブワイヤー』だ...
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第587回 九八とゲイブル

第587回 九八とゲイブル平成二十二年五月(2010)神保町 神保町シアター 井上ひさしの小説『モッキンポット師の後始末』を読んだのは一九七〇年代の前半、私の大学入学の頃で、当時、石坂浩二主演のTVドラマとして放送されており、原作小説は読み...
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第586回 脇役物語

第586回 脇役物語平成二十二年十一月(2010)有楽町 ヒューマントラストシネマ有楽町 有楽町駅前のイトシアビルにある映画館がシネカノンからヒューマントラストシネマに変わった頃に観たのが益岡徹主演の『脇役物語』だった。 益岡徹といえば、仲...
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第585回 ある役者達の風景

第585回 ある役者達の風景令和五年五月(2023)阿佐ヶ谷 モルク阿佐ヶ谷 自分のことで恐縮ではあるが、大阪の大学で四年間、演劇を勉強し、卒業後に上京、一九八〇年代は演劇を映画よりもたくさん観ていた。大劇場の商業演劇から、新劇、歌舞伎、演...
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第584回 バビロン

第584回 バビロン令和五年二月(2023)日比谷 TOHOシネマズ日比谷 映画を題材にした映画は、どれも映画愛に満ち溢れているように思う。 サイレントからトーキーに移行するハリウッドの映画界を描いた『バビロン』は同じ設定の『雨に唄えば』と...
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第583回 プロデューサーズ(2005)

第583回 プロデューサーズ(2005)平成十八年四月(2006)渋谷 渋東シネタワー2 メル・ブルックス監督の一九六八年のコメディ『プロデューサーズ』は長らく日本では劇場公開されず、ようやく二〇〇一年に渋谷のシネマソサエティでレイトショー...
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第582回 スペースボール

第582回 スペースボール昭和六十三年六月(1988)新宿 新宿ジョイシネマ2 メル・ブルックス監督の映画には好きなコメディがたくさんある。第一回監督作品の『プロデューサーズ』はオリジナルも素晴らしいが、後にミュージカル化された舞台劇の映画...