書評・コラム

シネコラム

第496回 バロン

第496回 バロン平成元年十月(1989)池袋 文芸坐  ミュンヒハウゼン男爵はドイツに実在した人物。架空の冒険談を面白おかしく語り、やがてその聞き書きが尾ひれをつけて出版され、世界各国で有名になった。このほら男爵を主人公にテリー・ギリアム...
シネコラム

第495回 モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル

第495回 モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル昭和五十五年二月(1980)渋谷 西武劇場  私は映画が大好きなので、次から次へと映画を観続けている。中にはつまらない映画もたくさんある。どんなジャンルにもそれはある。低予算のB級映...
シネコラム

第494回 ゲットスマート

第494回 ゲットスマート平成二十年十月(2008)新宿 新宿ピカデリー 一九六〇年代はショーン・コネリー007の全盛期で、それにあやかったスパイものがたくさん作られ、TVでも『ナポレオン・ソロ』『スパイ大作戦』『それいけスマート』などが人...
雨宮由希夫

書評『宗歩の角行』

書名『宗歩の角行』著者 谷津矢車発売 光文社発行年月日  2022年4月30日定価  ¥1800E 宗歩の角行作者:谷津 矢車光文社Amazon  文政3年(1820)8月、天野宗歩(あまのそうほ)は5歳で大橋本家十一代大橋宗金(後の大橋宗...
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第493回 メル・ブルックスの大脱走

第493回 メル・ブルックスの大脱走平成二年二月(1990)中野 中野武蔵野ホール  エルンスト・ルビッチが戦時中に作った反ナチコメディ『生きるべきか死ぬべきか』が日本で公開されたのが一九八九年、が、それより早い一九八四年にリメイク版『メル...
雨宮由希夫

書評『戴天』

書名『戴   天』著者 千葉ともこ発売 文藝春秋発行年月日  2022年5月10日定価  ¥1800E 戴天作者:千葉 ともこ文藝春秋Amazon 開元24年(736) 大唐帝国の首都長安の西市(長安城内の西側の商業中心地) 8歳の少年二人...
シネコラム

第492回 第十七捕虜収容所

第492回 第十七捕虜収容所令和元年八月(2019)渋谷 シネマヴェーラ 戦争映画ではあるが、戦闘場面はなく、ビリー・ワイルダー監督らしいコメディ調で描かれた捕虜収容所のクリスマスストーリーになっている。 第二次大戦末期、ドイツ国内のドナウ...
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第491回 シンドラーのリスト

第491回 シンドラーのリスト平成六年三月(1994)渋谷 渋東シネタワー2 相次いで娯楽作品を世に出しヒットさせたスティーヴン・スピルバーグが作った『シンドラーのリスト』は執念の一作といえるだろう。ハリウッドの映画人にはユダヤ系が多く、ス...
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第490回 否定と肯定

第490回 否定と肯定平成二十九年九月(2017)六本木 アスミックエース試写室  人は誰しも失敗する。それを反省することで同じ過ちを繰り返さずに前に進めるのだ。歴史もまた同じである。過ちをなかったことにはできない。 都合のいい事実だけを抜...
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第489回 戦場のピアニスト

第489回 戦場のピアニスト平成十五年三月(2003)渋谷 渋東シネタワー2 ナチスドイツによるユダヤ人の迫害、大虐殺の事実は繰り返し映画化されているし、繰り返し語り継がれるべき題材である。 さらに欲をいえば、シナリオが練られていて、演技が...