書評・コラム

シネコラム

第362回 スティング

第362回 スティング昭和四十九年七月(1974)大阪 曽根崎 梅田グランド  詐欺師の映画というのは、主人公の詐欺師がカモを引っ掛けるトリックの面白さもあるが、実はもうひとつ、映画を観ている観客そのものも騙してしまう手口。わあ騙された、と...
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第361回 壁女

第361回 壁女平成二十三年九月(2011)西東京 保谷こもれびホール 西東京市で毎年開催されている西東京市民映画祭自主制作映画コンペティションの審査員を、第一回より何年か続けてやらせていただいた。全国から寄せられた短編作品の中から各賞を選...
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第360回 吹けよ春風

第360回 吹けよ春風平成十一年四月(1999)京橋 フィムルセンター 三船敏郎といえば、剣豪や豪傑、凄腕の素浪人といった時代劇が多いが、その三船が主演のコメディタッチの現代劇。終戦からまだそんなに経っていない東京を舞台に、タクシーの運転手...
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第359回 鬼火

第359回 鬼火平成十九年一月(2007)阿佐ヶ谷 ラピュタ阿佐ヶ谷 怪談でもホラーでもないのに、これが妙に怖いのだ。 終戦後の東京。 加東大介ふんする主人公はガスの集金人である。昔は銀行の自動引き落としなどないから、受け持ち地区を一軒一軒...
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第358回 怖がる人々

第358回 怖がる人々平成二十四年一月(2012)池袋 新文芸坐 和田誠が監督した恐怖短編五話のオムニバス映画。「箱の中」深夜に酔って帰宅したサラリーマンが、マンションのエレベーターで偶然に知らない女といっしょになる。と、エレベーターが故障...
雨宮由希夫

書評『まむし三代記』

書名『まむし三代記』著者 木下昌輝発売 朝日新聞出版発行年月日  2020年2月28日定価  ¥1800Eまむし三代記作者:木下 昌輝発売日: 2020/02/07メディア: 単行本   木下(きのした)昌輝(まさき)は2012年、デビュー...
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第357回 ひとひらの雪

第357回 ひとひらの雪昭和六十一年十一月(1986)荻窪 荻窪劇場 昔、阿佐ヶ谷に住んでいたとき、隣町の荻窪にあった映画館、荻窪劇場で『ひとひらの雪』と『化身』の二本立が上映されていて、歩いて行ったことを思い出した。かつては歩いて行ける場...
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第356回 今度は愛妻家

第3356回 今度は愛妻家平成二十二年一月(2010)渋谷 渋谷TOEI② ときどき、思いがけないどんでん返しのある映画があって、うれしくなるが、内容を語ることができない。推理小説の犯人をばらすのと同様に反則だから。 中には意外な結末ですよ...
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第355回 ファントマ電光石火

第355回 ファントマ電光石火昭和四十七年七月(1972)大阪 中之島 SABホール 変装の名手の怪盗といえば、フランスではアルセーヌ・ルパン、日本では怪人二十面相が有名だが、もうひとり怪盗ファントマの活躍するフランス映画のシリーズがあり、...
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第354回 キル・ビル

第354回 キル・ビル平成十六年三月(2004)飯田橋 ギンレイホール 私が所属している日本映画ペンクラブでアンケートがあった。好きな映画スター海外編。男優、女優、それぞれ三人を書いて提出する。私が選んだ女優はニコール・キッドマン、シャーリ...