書評・コラム

シネコラム

第191回 トータルリコール

第191回 トータルリコール平成二年十二月(1990)新所沢 レッツシネパーク・レッド  フィリップ・K・ディックの短編が好きで、以前、ずいぶんと読んだものだ。 記憶にまつわる物語が多かったように思う。人間の記憶は曖昧であり、われわれは自分...
シネコラム

第190回 ヒッチコック

第190回 ヒッチコック平成二十五年三月(2013)六本木 20世紀フォックス試写室 映画監督のアルフレッド・ヒッチコック、私は子供の頃からその容貌はよく知っていた。TVの『ヒッチコック劇場』で最初と最後に解説をするのがヒッチコックだったの...
シネコラム

第189回 ダイヤルMを廻せ!

第189回 ダイヤルMを廻せ!平成八年四月(1996)銀座 銀座文化『刑事コロンボ』がTVで放送されたとき、驚いたのは、ミステリなのに最初から犯人がわかっていることだった。それをコロンボがじわじわと追い詰める。倒叙ミステリである。 ヒッチコ...
シネコラム

第188回 見知らぬ乗客

第188回 見知らぬ乗客令和元年五月(2019)池袋 新文芸坐 ガイは列車で乗り合わせた男から愛想よく話しかけられる。ガイ・ヘインズさんでしょう。テニスの花形選手の。 親切そうな男なので、行きがかり上、同じコンパートメントで食事をして酒を飲...
シネコラム

第187回 鳥

第187回 鳥平成二十四年一月(2012)府中 TOHOシネマズ府中 サンフランシスコの町並みを急いで歩く美女。彼女はどこへ行くのかというと、鳥専門のペットショップである。ここで九官鳥を注文するのだが、店員が席をはずしている間に男の客が来て...
シネコラム

第186回 アラクノフォビア

第186回 アラクノフォビア平成三年六月(1991)池袋 文芸坐 ファーストシーン、昆虫学者が南米の奥地で虫を採集しており、未知の蜘蛛を発見する。同行のカメラマンが蜘蛛に襲われるが、死因が判明しないまま、死体は棺に納められ彼の故郷であるアメ...
シネコラム

第185回 デイブレイカー

第185回 デイブレイカー平成二十三年七月(2011)新橋 新橋文化 ゾンビ映画が出て来るまでは、怪物に襲われた被害者が自ら加害者の怪物に転じるのは吸血鬼映画であった。吸血鬼に血を吸われると、吸われた者も吸血鬼になる。吸血鬼は人の血を吸って...
シネコラム

第184回 処女の生血

第184回 処女の生血平成七年七月(1995)六本木 俳優座劇場 なかなか楽しいドラキュラのパロディ。ルーマニアのドラキュラ伯爵は闇に君臨する魔王ではなく、ただの哀れな吸血病患者。処女の血を吸わないと長生きできない。最初の場面では白髪を染め...
シネコラム

第183回 血を吸う人形 幽霊屋敷の恐怖

第183回 血を吸う人形 幽霊屋敷の恐怖平成二年五月(1990)大井 大井武蔵野館 タイトルに「血を吸う」とあるが、吸血鬼は出てこない。 行方不明になった兄の消息を求めて、妹が兄の婚約者の屋敷を訪ねる。婚約者は交通事故ですでに死亡しており、...
シネコラム

第182回 血を吸う薔薇

第182回 血を吸う薔薇平成二年五月(1990)大井 大井武蔵野館 山本迪夫監督の血を吸うシリーズを三本続けて観たのが大井武蔵野館だった。『血を吸う人形 幽霊屋敷の恐怖』『血を吸う眼 呪いの館』『血を吸う薔薇』である。 このうち『血を吸う眼...