書評・コラム

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第121回 人情紙風船

第121回 人情紙風船平成四年六月(1992)早稲田 ACTミニシアター  映画がサイレントからトーキーに移行する昭和の初め、映画監督としてデビューし、次々と作品を発表して注目されながら、召集され戦地の中国で若くして戦病死した山中貞夫。その...
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第120回 無頼漢

第120回 無頼漢昭和五十三年十二月(1978)新橋 新橋第三劇場  江戸城に仕える御数寄屋坊主の河内山宗俊が悪党仲間と組んで悪事を働くピカレスク。御家人くずれの片岡直次郎、吉原の花魁三千歳、遊び人暗闇の丑松、浪人で剣客の金子市之丞、悪徳商...
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第119回 大江戸りびんぐでっど

第119回 大江戸りびんぐでっど平成二十二年九月(2010)五反田 イマジカ第二試写室  舞台の映画化というのは、以前から数多い。シェイクスピアからブロードウェイミュージカルまで、著名な人気作品はたいてい映画化されている。 だが、シネマ歌舞...
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第118回 マチェーテ

第118回 マチェーテ平成二十三年四月(2011)新橋 新橋文化  ダニー・トレホの名前は知らなくとも、一度見たら忘れられないその面構え、悪役に欠かせない顔である。 最初にトレホの印象が強く残ったのが『コンエアー』だった。囚人たちを飛行機で...
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第117回 プラネット・テラー

第117回 プラネット・テラー平成二十年三月(2008)新橋 新橋文化 新橋文化が好きだった。新橋駅すぐのガード下にあって、アクション、ミステリ、SF、ホラーなど主にB級といわれるような娯楽作品を低料金二本立てで週替わりに上映していた。 映...
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第116回 アイドル・ハンズ

第116回 アイドル・ハンズ平成十一年十一月(1999)銀座 ソニーハイビジョンシアター  以前、銀座のソニービルで劇場未公開映画を無料で観せてくれるハイビジョンシアターというのがあって、何度か行ったことがある。そこで観たオカルトコメディの...
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第115回 ゾンビーノ

第115回 ゾンビーノ平成二十四年六月(2012)新橋 新橋文化  ゾンビ映画も数々あるが、ゾンビの実用化を考えたのがこの映画。 時代背景は男女の服装、髪型、走る自動車、家庭内の電化製品などから、一九五〇年代頃のアメリカ中流家庭を思わせる。...
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第114回 アナと世界の終わり

第114回 アナと世界の終わり令和元年六月(2019)新宿 新宿武蔵野館  青春学園もので、ミュージカルで、しかもゾンビ映画。このアイディアだけでうれしくなるが、なによりもミュージカルとして出来がいい。 アナは高校生だが、卒業後は大学には進...
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第113回 ゾンビランド

第113回 ゾンビランド平成二十三年二月(2011)新橋 新橋文化  とはいえ、私はゾンビ映画はそんなに好きというわけでもない。が、ジャンルでひとくくりにして、否定するのはもったいない。ゾンビでもオカルトでもホラーでも面白い作品はけっこうあ...
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第112回 キツツキと雨

第112回 キツツキと雨平成二十四年三月(2012)新宿 角川シネマ新宿  世間では、ゾンビ映画というだけで、頭から馬鹿にする人が多い。が、ゾンビであろうと、純愛ものであろうと、社会派であろうと、作っている人の情熱や真面目さに違いはない。『...