書評・コラム

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第91回 ボギー俺も男だ

第91回  ボギー俺も男だ 昭和四十八年十月(1973)大阪 梅田 北野シネマ  この映画に出会えたことが、ひょっとして、今の私につながっているのかな。十九のとき、私は大学受験に失敗した浪人生で、鬱々とした日々の中、映画館に逃げ込むことが多...
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第90回 カサブランカ

第90回 カサブランカ昭和五十一年一月(1976)大阪 堂島 毎日文化ホール  イングリット・バーグマンといえば、やはり一番に浮かぶのが『カサブランカ』である。第二次大戦中、フランスはドイツの支配下にあり、フランス領モロッコのカサブランカも...
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第89回 サボテンの花

第89回 サボテンの花平成十五年十月(2003)東京 某公民館視聴覚室  妻子があるくせに、浮気する男というのはよくいるし、中には独身と偽って女性をだます悪いやつもいるわけだ。が、独身なのに自分は妻帯者だと嘘をつくというのがこの映画の主人公...
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第88回 追想

第88回 追想平成二年六月(1990)銀座 シャンゼリゼ 『追憶』というタイトルの映画、ネットで調べたら、六本あった。 昔は外国映画も日本語のタイトルが普通で、漢字二文字の『哀愁』『慕情』『旅情』『旅愁』『昼顔』『卒業』『初恋』『情婦』『裏...
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第87回 追憶

第87回 追憶平成二十三年十一月(2011)日比谷 みゆき座 『追憶』が日本で初めて公開されたのは、私の学生時代。映画の背景は第二次大戦前から戦後の赤狩りの頃まで。 ユダヤ系で勉強熱心、左翼運動に燃える生真面目な女子学生ケイティがバーブラ・...
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第86回 フクロウと子猫ちゃん

第86回 フクロウと子猫ちゃん昭和五十年八月(1975)大阪 中之島 SABホール  出会いから反発しあっている男女が、いつしか惹かれあって、最終的にはハッピーエンドになるというのが、ラブコメディのひとつの典型である。その過程をはらはらどき...
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第85回 恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ

第85回 恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ平成三年一月(1991)高田馬場 早稲田松竹  ボーとジェフのブリッジス兄弟扮するザ・ファビュラス・ベイカー・ボーイズは、あまり売れないピアノ弾きの兄弟。これにミシェル・ファイファーの歌...
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第84回 ベスト・フレンズ・ウェディング

第84回 ベスト・フレンズ・ウェディング平成十年一月(1998)飯田橋 ギンレイホール  コメディで笑わせてじーんとさせるのは相当の腕がいる。もちろん、全然笑えなくて泣いてしまうコメディは最初から失敗作だけど。タイトルでいきなり花嫁と三人の...
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第83回 ラブ・アゲイン

第83回 ラブ・アゲイン平成二十四年三月(2012)高田馬場 早稲田松竹  ひねりの効いたシチュエーション、追い詰められる主人公、度重なる偶然、登場人物が勢ぞろいの大混乱。このありえなさをリアルな笑いに持って行くうまさ。上出来のラブコメディ...
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第82回 新しい人生のはじめかた

第82回 新しい人生のはじめかた平成二十二年十月(2010)飯田橋 ギンレイホール  私は若くはない。が、恋愛映画を観れば、自然と若い主人公に感情移入して、胸がときめく。主人公が中年や初老の男性なら、なおのこと。『新しい人生のはじめかた』は...