書評・コラム

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第73回 猿の惑星・創世記

第73回 猿の惑星・創世記平成二十三年十月(2011)大泉 Tジョイ大泉  一九六八年の最初の『猿の惑星』は、メイキャップがすごかった。ロディ・マクドゥール、キム・ハンター、モーリス・エバンスといった名優たちが、特殊メイクで猿の顔になり、演...
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第72回 新・猿の惑星

第72回 新・猿の惑星昭和四十六年八月(1971)大阪 難波 南街劇場 『猿の惑星』は大ヒットとなり、次々と続編が作られた。私は『続・猿の惑星』だけは深夜TVでの鑑賞だが、あとはティム・バートン版も新シリーズもすべて劇場で観ている。 第三作...
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第71回 猿の惑星

第71回 猿の惑星昭和四十三年六月(1968)大阪 上本町 上六映劇  中学生の半ばまでは、映画館には父か祖母に連れられて行っていたのだが、中学三年生のとき、『猿の惑星』が公開され、父も祖母も子供だましと言って、観たがらない。どうしても観た...
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第70回 輪舞

第70回 輪舞平成七年五月(1995)銀座 シャンゼリゼ  ロジェ・ヴァディムの作品は六十年代のものが多いので、なかなか映画館で観る機会がない。シャンゼリゼは銀座の東映の地下の劇場で、後に丸の内TOEI②と名を変えた。『輪舞』は映画より先に...
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第69回 課外教授

第69回 課外教授昭和四十六年九月(1971)大阪 難波 なんば大劇場  高校生になると、ひとりで映画館に行くようになる。ロジェ・ヴァディム監督の『課外教授』を観たのは高校三年で、私はまだ十七歳だった。 ヴァディムといえば、芸術とセックスを...
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第68回 仮面の男

第68回 仮面の男平成十年八月(1998)日比谷 日比谷映画  ひとりの俳優が性格の違う双子を演じるというのも、よくある。三銃士の後日談を描いたアレキサンドル・デュマの『鉄仮面』をレオナルド・ディカプリオが主演。 十七世紀、ブルボン王朝、後...
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第67回 デーヴ

第67回 デーヴ 平成六年一月(1994)池袋 文芸坐2  主人公のデーヴは大統領と瓜二つなところから、アルバイトでそっくりショーの余興などしている。それを見込まれシークレットサービスの要請で、大統領の代役を依頼される。 多忙な大統領の代わ...
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第66回 エロ将軍と二十一人の愛妾

第66回 エロ将軍と二十一人の愛妾平成三年三月(1991)大井 大井武蔵野館  八代将軍吉宗の孫が十代徳川家治、その治世は田沼意次が権勢をほしいままにし、田沼時代と呼ばれた。 家治の世継の家基が不審な急死をとげ、次の世継に田沼がごり押しした...
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第65回 王子と乞食

第65回 王子と乞食平成二十年七月(2008)東京 某公民館  ヘンリー八世の治世。皇太子のエドワードが乞食の少年トムと瓜二つで、ひょんなことから入れ替わり、王子は宮殿の外へたたき出され、乞食のトムは王子の格好をさせられて宮殿から出られない...
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第64回 江戸っ子繁昌記

第64回 江戸っ子繁昌記令和元年五月(2019)阿佐ヶ谷 ラピュタ阿佐ヶ谷  落語の『芝浜』と怪談の『番町皿屋敷』を組み合わせ、中村錦之助が魚屋勝五郎と旗本青山播磨の二役。それだけでわくわくし、観たくなる。 勝五郎の妹のお菊が青山播磨に見初...