書評・コラム

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第34回 女優霊

第34回 女優霊平成九年一月(1997)池袋 シネマセレサ  中田秀夫監督の『リング』は怖かったが、もう一本、中田監督のさらに怖い映画が『女優霊』である。 怖い。不気味。ひたすら観客を怖がらせるだけに徹した映画。怖がらせるといっても、わあっ...
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第33回 リング

第33回 リング平成十年三月(1998)渋谷 渋東シネタワー4  初めて映画館で『リング』を観たときのことは忘れられない。怖い映画というのは知っていたが、詳しい内容は知らずに観た。 二人の女子高校生が夜、怖い体験を語り合っている。あたし、い...
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ひねもすのたり新刊書評 五月号 単行本編

ひねもすのたり新刊書評  五月号 単行本編                    2019.05.05菊池仁 記  諸般の事情もあってのたり新刊書評、ホンモノののたりとなってしまった。深く反省しています。と言う事でスピードを上げていきます。...
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第32回 怪談夜泣き燈籠

第32回 怪談夜泣き燈籠平成四年七月(1992)早稲田 ACTミニシアター  時代劇全盛の頃は怪談映画もたくさん作られた。『四谷怪談』『番町皿屋敷』『牡丹灯籠』『累が淵』などなど、芝居や落語、講談などの脚色が多いが、中にはオリジナルもけっこ...
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第31回 怪談 蚊喰鳥

第31回 怪談 蚊喰鳥平成十二年八月(2000)銀座 シネパトス1  低予算ながら密度の濃い時代劇である。主な登場人物は小唄の師匠、その情夫の遊び人、師匠に横恋慕の按摩、三人だけ。三人が三人とも善人とはほど遠い。 師匠のところへ金をせびりに...
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第30回 羽織の大将

第30回 羽織の大将平成四年四月(1992)三軒茶屋 スタジオams  私の出身校は大阪芸術大学舞台芸術学科である。当時の先生が堺正俊教授。芸名がフランキー堺。四年間、私は堺先生に教えを受け、演劇の勉強をしたのだ。 だから、軽々しくフランキ...
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第29回 幕末太陽伝

第29回 幕末太陽伝昭和四十八年八月(1973)大阪 堂島 毎日ホール  山田洋次監督の『運が良けりゃ』は二本立てで観たのだが、もう一本が川島雄三監督の『幕末太陽伝』であったのだ。なんて贅沢で素敵な組み合わせだったろう。 当時、講談社文庫か...
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第28回 運が良けりゃ

第28回 運が良けりゃ昭和四十八年八月(1973)大阪 堂島 毎日ホール  山田洋次といえば、『男はつらいよ』だが、実は寅さんシリーズの前に馬鹿シリーズというのがあり、私はこっちが寅さんより好きである。『馬鹿まるだし』『馬鹿が戦車(タンク)...
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第27回 男はつらいよ 寅次郎春の夢

第27回 男はつらいよ 寅次郎春の夢平成八年九月(1996)築地 松竹セントラル2 『男はつらいよ』はシリーズ化され、毎年興行されて人気は続き、舞台となった葛飾区の柴又、帝釈天の参道には全国から観光客が押し寄せた。シリーズ終了後も、柴又駅前...
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第26回 男はつらいよ

第26回 男はつらいよ昭和五十年二月(1975)大阪 北浜 三越劇場  渥美清といえば、車寅次郎ことフーテンの寅。 最初、TVドラマとして放送され、翌年の一九六九年に劇場用の映画となり、次々と続編が作られて、その数は四十八作に及ぶが、私が特...