西山ガラシャ氏の『公方様のお通り抜け』歴史行路での電子配信を記念して、作品の舞台となった「戸山荘」跡地である戸山公園&早稲田大学文学部キャンパスを巡る歴史散歩に出かけました。総勢15人の方々にご参加頂き、最初は少し案じましたが、1人の脱落者もなく、雨にも降られず、花咲き匂う庭園を気持ちよく散策し、無事に終了することができました。
「⼾⼭荘」とは、尾張徳川家の⼾⼭下屋敷の通称で、1669 年に尾張徳川家第 2 代藩主の徳川光友(家康の孫)が造営をはじめ、 約 13 万坪(約 43 万平⽅メートル)もの敷地を有し、 現在の新宿区⼾⼭ 1 丁⽬から 3 丁⽬までをほぼ 網羅する広さがあったそうです。 尾張徳川家第9代徳川宗睦の頃に最盛期を迎え、11 代将軍の徳川家⻫が「すべて天下の園地はまさにこの荘をもって第⼀とすべし」と評した名園だったといいます。学生時代、毎日通った文学部キャンパスにそんな歴史があったというのをつゆ知らず、あらためて勉強になりました。
由緒ある穴八幡宮と放生寺にもお詣りすることができました。穴八幡宮は「一陽来復」のお守が大人気ですが、放生寺は「一陽来復」の「復」の字を「福」に変えて「一陽来福」創始の寺だそうです。
歴史散歩の後半は、早稲田大学本部キャンパスに向かいました。国際文学館・村上春樹ライブラリー前で一旦解散して、自由行動の予定でしたが、西洋史学科の2年後輩の西尾昌樹さまのご厚意で、館内を急遽ご案内頂けることになりました。ライブラリーができた経緯から始まり、館内を隅々までガイドして頂いて、大変勉強になりました。村上作品の中で主人公が異世界に紛れ込むのにも似て夢見心地の30分でした。各国語に翻訳された本の美しい装丁や、オーディオルームの見事な音響に癒されました。
その後100年の歴史を誇る老舗レストラン高田牧舎にて乾杯。美味しいピザを堪能しました。レストランに入る前に小雨が降り出しましたが、散策中には傘は不用だったので安堵しました。名古屋から来てくれた西山ガラシャさんをお見送りしてから、お開きになりました。
丁寧なご解説を頂いた戸山公園の久嶋さま、西山ガラシャさま、稲門会の方々に心より厚く御礼申し上げます。何よりご参加頂いた皆さまに、深く感謝!箱根山頂で頂いた登頂証明書と皆で記念撮影したお写真は、一生の宝ものになりました。
(文責・橘 かがり)