2025年2月6日、松永弘高(まつなが・ひろたか)さんの文庫書き下ろし時代小説、『先駆けの勘兵衛』が小学館文庫より刊行されます。
戦国時代を駆け抜けた、武将の渡辺勘兵衛を描いた時代小説です。
著者からのメッセージ
次々に主家を渡り歩きながら手柄をあげ続けた、戦国のスーパーフリーランス、非正規家臣の星・渡辺勘兵衛。まずは、その青春を描きました。
あらすじ
渡辺勘兵衛は、血路に迷っていた。
織田信長が討たれた本能寺の変に巻き込まれ、主君・阿閉貞征は明智光秀に与したが、山崎の戦いで敗れた。
北近江の大名・浅井長政の重臣である阿閉家に仕え、精鋭の母衣衆のひとりとして、「鑓(やり)の勘兵衛」と称されるほどの武功を挙げてきた勘兵衛だったが、もはや窮地に立たされていた。
命からがら逃げ延びた落ち武者の勘兵衛は、しばらく世情をうかがうため、近江と美濃の国境にそびえる伊吹山に身を潜める。
しかし、逃亡生活は長くは続かなかった。生き延びるため、そして妻や家臣を養うために、食い扶持を得なければならない。
勘兵衛は決意を固めた。かつて自分に引き抜きの声をかけてくれた、今や敵将となった羽柴秀吉に頭を下げ、仕官を願うしかないと。
山を下り、どうにか秀吉との面会に漕ぎつけた勘兵衛だったが、加藤虎之介や福島市松、加藤孫六らの厳しい試練を受ける。それでも耐え抜き、ついに羽柴秀勝のお付きとなることを許される。
ようやく新たな居場所を得た勘兵衛は、やがて秀勝の武徳に深く心を打たれ、名誉挽回とばかりに、秀吉と天下を争う柴田勝家の軍勢を賤ヶ岳で迎え撃つ。
戦国から江戸時代にかけて、軽輩武士たちに絶大な人気を誇った渡辺勘兵衛。その波乱に満ちた生涯を描く、壮大な長編武将活劇!(『先駆けの勘兵衛』Amazonの内容紹介文より抜粋・編集)