会員で作家の藤井邦夫(ふじい・くにお)さんが、10月12日(日)未明、心不全のため東京都内でご逝去されました。享年78でした。
藤井さんは北海道のご出身。大学卒業後に東映へ入社し、助監督、監督や脚本家を経て、テレビドラマ「特捜最前線」や「暴れん坊将軍」などの脚本家として活躍されました。
2002年、『陽炎斬刃剣 日暮左近事件帖』(廣済堂文庫)で小説家としてデビュー。その後、多くの文庫書き下ろし時代小説を発表し、2019年には、「新・秋山久蔵御用控」(文春文庫)、「新・知らぬが半兵衛手控帖」(双葉文庫)の両シリーズにより、第8回日本歴史時代作家協会賞「文庫書き下ろしシリーズ賞」を受賞されました。ツボを押さえたストーリー展開と痛快さにより、大人が読んで満足できる質の高い時代小説の書き手として高く評価されたものです。
つい最近まで、数多くのシリーズ作品を執筆され、新刊がほぼ毎月刊行されるほどの人気作家でした。亡くなられた日も執筆の最中に体調を崩され、救急搬送の途中、眠るように息を引き取られたとのことです。
ご逝去を悼み、心よりお悔やみを申し上げます。

恋女房 新・秋山久蔵御用控(一) (文春文庫)
“剃刀”の異名を持つ南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵。長男・大助を従えて許せぬ悪に立ち向かう。大人気シリーズ、待望の第二幕スタート!南町奉行所吟味方与力の“剃刀”こと秋山久蔵。前作から約10年。久蔵の嫡男・大助は元服前、岡っ引の弥平次は隠居し...

姿見橋: 知らぬが半兵衛手控帖 (双葉文庫 ふ 16-1)
惚れた男のために苦界に身を沈めながらも、果たされぬ約束に一縷の望みを抱く女・・・・。十年前に亭主を殺して行方知らずになった女と同じ顔の女・・・・。幼い我が子を無礼討ちにされた浪人が縋る武士の矜持・・・・。「世の中には私たちが知らん顔した方が...

