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シネコラム

第702回 DROP ドロップ

第702回 DROP ドロップ令和七年七月(2025)立川 シネマシティ だれもがスマホを持ち歩く現代。スマホはただの携帯電話ではなく、あらゆる情報が収集され蓄積された小型のパーソナルコンピュータでもある。それゆえ『スマホを落としただけなの...
頼迅一郎(平野周)

第63回『倭寇とは何か ―中華を揺さぶる「海賊」の正体』(新潮選書)

『倭寇とは何か ―中華を揺さぶる「海賊」の正体』(岡本隆司、新潮選書) 本書のタイトルを見て、倭寇について書かれた「日本史の本」だと思い、購入して読み始めました。 でも、違ったのです。本書は、東洋史の研究者が、明代以降の中国の通史(あるいは...
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「女が築いた日本国」第六回 三田誠広

第六回  神々の婚姻――ウケヒとは何か   ところで、せっかく姉のアマテラスとウケヒをして、天界に昇ることを許されたスサノオが、なぜ根の国に赴くことになったのか。 そもそも大海原の神であったスサノオが、天界に昇っていくことになったのは、自分...
シネコラム

第700回 リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

第700回 リトル・ショップ・オブ・ホラーズ昭和六十三年七月(1988)中野 中野名画座『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は最初、一九六〇年にロジャー・コーマン監督でコメディ色の強いSFホラー映画として作られた。日本では劇場公開されず、そ...
エッセー

「女が築いた日本国」第五回 三田誠広

第五回 出雲神話の大国主 前回はアマテラスとスサノオのウケヒ(誓約であり婚姻でもある)の話をした。 日本神話は、出雲系と日向系の神話が合成されているというこについても述べた。 大和朝廷は、アマテラスの孫のニニギ(邇邇藝)が日向に降臨したこと...
エッセー

「女が築いた日本国」第四回 三田誠広

第四回  出雲系と日向系の融合 話を元に戻して、アマテラスすなわち天照大神の話を続ける。 稗田阿礼が女帝にゴマをすったために、日の神が女神になった、という話をしたのだが、これはぼくの思いつきで、エビデンスがあるわけではない。 多くの研究者が...
シネコラム

第698回 ノッティングヒルの恋人

第698回 ノッティングヒルの恋人平成十一年十二月(1999)飯田橋 ギンレイホール『MaXXXine マキシーン』を観て、ふと思った。女優が女優を演じる映画は他にも名作がいくつもある。グロリア・スワンソンが世間から忘れられた往年のハリウッ...
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「女が築いた日本国」第三回 三田誠広

第三回  小倉百人一首の一番歌 鎌倉時代の半ばに藤原定家が編んだ『小倉百人一首』は、誰でも知っているだろう。 カルタとしてばらばらにしてしまうとわからないのだが、あれには順番がある。 一番歌は天智天皇、二番歌は持統女帝ということになっている...
頼迅一郎(平野周)

第62回『烏帽子と黒髪: 中世ジェンダー考 (いにしへびとの世界1)』(同成社)

「烏帽子と黒髪: 中世ジェンダー考 (いにしへびとの世界1)」(野村育代、同成社) 博打は勝つこともあれば負けることもあります。負けて熱くなって、時には身ぐるみ剥がされることもあるでしょう。 中世の博打を語るときに有名な絵があります。13世...
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「女が築いた日本国」第二回 三田誠広

第二回 神宿る女――持統女帝は史上最高の独裁者 日本の歴史は、『古事記』と『日本書紀』によって始まる。 両書は、ほぼ同じ時期にまとめられた。 同じ時期にまとめられたのに、なぜ二種あるのか。 この点について確認しておきたい。 太古の時代には、...