合評会平野周「雪降る永代橋で」 雪降る永代橋で ―大江戸奇っ怪噺―平野 周 一 棒手振の佐吉は、ひどく憔悴していた。 今日も長屋の奥の間に、一人ぽつねんと座って位牌ばかりをを眺めている。正月もずっとそうして過ごした。まるで人の抜け殻みたいである。 佐吉といえば、誰もが... 2025.02.15合評会