合評会

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生田修平「なにがし」

→PDF版で読みたい方はこちらなにがし生田修平なにがしは、名前が不明だったり、名の特定がさして重要でない場合などでよく使われる。芥川龍之介の「芋粥」に登場する五位のなにがしは「伝わる資格がない平凡な男」とのこと。化学専門商社の営業マン山田な...
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生田修平「カンガルー」

→PDF版で読みたい方はこちらカンガルー生田修平大阪、東淀川駅前で一杯飲み屋に入った。カウンターのみで4~5人がやっと入れる小さな店だった。奥に客が一人だけいた。茶色い毛皮のコートを着ていたが、よく見るとカンガルーだった。カンガルーは黄色い...
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森田健司「泥棒の磯村さん」

→PDF版で読みたい方はこちら泥棒の磯村さん森田 健司  一 磯村(いそむら)さんと初めて会ったのは、僕が住む街の商店街にある「たぬき屋」という定食屋だった。僕は大学に入学して以来七年、毎晩のようにこの店で夕飯を食べてきた。いろいろ注文して...
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平野周「雪降る永代橋で」

→PDF版で読みたい方はこちら雪降る永代橋で ―大江戸奇っ怪噺―平野 周   一 棒手振の佐吉は、ひどく憔悴していた。 今日も長屋の奥の間に、一人ぽつねんと座って位牌ばかりをを眺めている。正月もずっとそうして過ごした。まるで人の抜け殻みたい...