書評・コラム

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第670回 ラストマイル

第670回 ラストマイル令和六年九月(2024)新宿歌舞伎町 TOHOシネマズ新宿 ブラックフライデーはアメリカの感謝祭の翌日の金曜日に行われる大安売りで、ショッピングモールでの惨劇を描いた映画『サンクスギビング』が生々しい。 感謝祭のない...
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第669回 フォールガイ

第669回 フォールガイ令和六年九月(2024)立川 シネマシティ2 映画を題材にした映画は、たいてい映画ファンの心をそそる。 フォールガイとは落ちる男、あるいは身代わりといった意味があり、映画界のスタントマンを現す用語らしい。この映画はタ...
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第668回 一日だけの淑女

第668回 一日だけの淑女令和六年八月(2024)渋谷 シネマヴェーラ デイモン・ラニアンを初めて読んだのは、高校三年の夏休み、初めて買った早川のミステリマガジンに掲載の『ミス・サラー・ブラウンのロマンチックな物語』で、翻訳は加島祥造だった...
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第667回 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

第667回 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン令和六年七月(2024)新宿歌舞伎町 TOHOシネマズ新宿 このタイトルでまず頭に浮かぶのが、フランク・シナトラ他、多くの歌手が歌っているロマンチックなジャズの名曲である。「言い換えると、アイ・ラブ...
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第666回 死に花

第666回 死に花平成十六年五月(2004)新宿 新宿スカラ3 草笛光子主演の『九十歳。何がめでたい』を観て、二十年前の映画『死に花』を思い出した。だれでもみんな歳をとる。どういう老後を過ごすのが幸せだろうか。老化を悲観せず、前向きにとらえ...
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第665回 九十歳。何がめでたい

第665回 九十歳。何がめでたい令和六年七月(2024)立川 立川シネマシティ 一九七〇年、私が高校生のとき、『花はくれない』というTVドラマが好きで、毎週見ていた記憶がある。長門裕之が演じる若き日の佐藤紅緑が主人公。紅緑は戦前戦中に活躍し...
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第664回 勝手にふるえてろ

第664回 勝手にふるえてろ平成二十九年九月(2017)六本木 アスミックエース試写室 綿矢りさ原作のエキセントリックなラブコメディ。 会社の経理部で働くヒロイン江藤良香、二十代半ばまで男性と付き合った恋愛経験がまったくなく、それが密かな劣...
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第663回 デトロイト・メタル・シティ

第663回 デトロイト・メタル・シティ平成二十一年二月(2009)高田馬場 早稲田松竹 田舎から上京し、東京で大学生となった根岸崇一青年。おかっぱ頭でなよなよしながらギター抱えて、人々に夢を与えたいと、大学の軽音楽サークルに属し、路上で明る...
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第662回 転々

第662回 転々平成二十年十二月(2008)飯田橋 ギンレイホール オダギリジョーと三浦友和、どちらも若い頃から絵になる二枚目スターである。このふたりがどうしようもなく情けない駄目なふたりを演じるのだ。 竹村文哉は子供の頃に親に捨てられ天涯...
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第661回 青春ジャック 止められるか、俺たちを2

第661回 青春ジャック 止められるか、俺たちを2令和六年三月(2024)新宿 テアトル新宿 俳優井浦新が若松孝二監督を演じた『止められるか、俺たちを』に続く第二弾。ではあるが、続編というよりも独立した一本になっており、一九八〇年代の映画界...