「ほんまる」で「光る君へ」――平安本フェア開催

「ほんまる」で「光る君へ」――平安本フェア開催!

『光る君へ』のファンである平安時代好きの会員が、平安時代を題材にしたおすすめの小説14冊と歴史ガイド1冊、計15タイトルを厳選しました。ドラマをきっかけに平安時代に興味を持った方や、普段あまり時代小説を読まない方にも楽しんでいただけるよう選書しています。今回ご紹介する本はいずれも現役の小説家による作品で、一部にはサイン入りの貴重な本も含まれています。

光と陰の紫式部 (単行本)『光と陰の紫式部』
三田誠広(作品社)
サイン本
幼き日の紫式部は、安倍晴明のもとで陰陽道を学ぶ才気あふれる少女。やがて運命の人・藤原道長と出会い、その娘・彰子とは五十年にわたる絆を築きます。紫式部が『源氏物語』に込めた宿望を鮮やかに描いた、壮麗な王朝ロマン。(理)
新皇将門 (単行本)『新皇将門』
中路啓太(光文社)
サイン本
人々が鬼や妖怪、怨霊を身近に感じた平安時代。京から遠く離れた坂東で、平将門が天皇に反旗を翻し、「新皇」を称します。本作は、その反乱と滅亡を、京から坂東に下った一人の巫女・桔梗の視点で描いた壮大な歴史絵巻です。歴史考証を押さえながらも、霊視や呪詛など平安的な要素も楽しめます。(理)
歴史愛好家のための日本の歴史~平安時代~ (単行本)『歴史愛好家のための日本の歴史 平安時代編』
太宰観、吉田誠一他(AndTech)
巻末にある執筆者10名の楽しそうな【趣味】とプロフィールを見ただけで、「この本は面白いかも」と直感して大当たり!  熱量がスゴイし、どっぷりと平安ワールドに浸れます。当協会会員の渡邉浩一郎氏による平将門怨霊伝説のエッセイもあり!(西)
源平六花撰 (文春文庫)『源平六花撰』
奥山景布子(文春文庫)
サイン本
落日の平家をめぐる女性たちのその後を、流麗な文体で描き上げた傑作短編集。運命に翻弄された女の悲劇を描きながら、明るい光がさすような終わり方で、読後感がとても良い。敗者へのまなざしが温かく、胸を打つ。オール讀物新人賞受賞作「平家蟹異聞」収載。(橘)
時平の桜、菅公の梅 (中公文庫)『時平の桜 菅公の梅』
奥山景布子(中公文庫)
サイン本
孤高の秀才・菅原道真と、若き貴公子・藤原時平。 世代も身分も境遇も違う二人が、互いに魅かれあい、 やがて離れてゆく……。藤原時平といえば、道真を太宰府送りにした極悪人という印象を持っていたが、時平の側からとらえたこの作品は、新鮮で興味深かった。男たちの熱き闘いを描く渾身の書き下ろし長篇。(橘)
逢坂の六人 (集英社文庫)『逢坂の六人』
周防柳(集英社文庫)
古今和歌集の選者に任命された紀貫之。貫之はなぜ六人の歌詠みをあげたのか。貫之の幼少時代の体験を元に古今和歌集編纂秘話が語られる。晩年の在原業平、小野小町、文屋康秀ら豪華キャストが登場し、貫之と六歌仙のかかわりをドラマティックに描き出す長編歴史小説。(橘)
月ぞ流るる (単行本)『月ぞ流るる』
澤田瞳子(文藝春秋)
日本初の女性による歴史物語『栄花物語』の作者である赤染衛門。百人一首の「やすらはで 寝なましものを」は切ない女心をうたった名歌だが、この作品は、宮中きっての和歌の名手とも言われる赤染衛門が、夫を亡くしてすぐの頃を描いた歴史サスペンス。50歳を過ぎた彼女の目に映る宮廷生活は、一体どんな姿だったのか。紫式部や清少納言の生きた平安中期の豪華絢爛たる宮中絵巻。(橘)
紫式部の一人娘 (文芸社文庫)『紫式部の一人娘』
阿岐有任(文芸社文庫)
サイン本
紫式部の一人娘・賢子が、三人の同時代女性の生き方を冷静に観察し、自らの生き方を見極め、栄光と安泰を求め己の道を突き進んで行く。才能や努力だけではどうにもならない平安の世を、しなやかに、したたかに、たくましく生き抜いていく賢子の姿が鮮やかで眩しい。女性たちにぜひ読んでもらいたい平安フェミ小説。(橘)
隆家卿のさがな姫 (文芸社文庫)『隆家卿のさがな姫』
阿岐有任(文芸社文庫)
サイン本
叔父であり時の権力者である藤原道長のことすら恐れず、世間では「さがな者」と評される藤原隆家も、家庭では平凡な一人の父親だった。目に入れても痛くないほど大切に慈しんできた姫君に「このくそ親父が~~!」と怒鳴られる場面では、思わず微苦笑してしまう。身体は弱いが気は人一倍強い姫君の願いを叶えるべく、婿取りに奔走する隆家に、次第に親しみを覚えてしまう。(橘)
籬の菊 (文芸社文庫) 『籬の菊』
阿岐有任(文芸社文庫)
サイン本
叔父であり時の権力者である藤原道長のことすら恐れず、世間では「さがな者」と評される藤原隆家も、家庭では平凡な一人の父親だった。目に入れても痛くないほど大切に慈しんできた姫君に「このくそ親父が~~!」と怒鳴られる場面では、思わず微苦笑してしまう。身体は弱いが気は人一倍強い姫君の願いを叶えるべく、婿取りに奔走する隆家に、次第に親しみを覚えてしまう。(橘)
清少納言なぞとき草紙 (徳間文庫)『清少納言なぞとき草紙』
有馬美季子(徳間文庫)
サイン本
宮中で起こる怪事件の謎を解き明かすのは、すぐれた勘働きで名高い清少納言。調査のたびに「源氏物語」にまつわる謎が浮かび上がります。知的好奇心に満ちた展開と少納言の鮮やかな推理が読者を魅了する王朝ミステリー。(理)
新・紫式部日記 (PHP文芸文庫)『新・紫式部日記』
夏山かほる(PHP文芸文庫)
サイン本
第11回日経小説大賞受賞作。藤式部(紫式部)は物語を書く女房として暮らす中、藤原道長の命で中宮彰子に仕えることに。彰子が帝の寵愛を得られるよう、源氏物語を紡ぐ姿を描きます。『紫式部日記』をモチーフにした平安エンタメ小説。(理)
源氏五十五帖(単行本)『源氏五十五帖』
夏山かほる(日本経済新聞出版社)
サイン本
『更級日記』の著者・菅原孝標女は、父が石山寺の僧都殺しの容疑をかけられたことで、藤原道長の命により「幻の源氏五十五帖」を探す旅に出る。紫式部の娘・賢子も加わり、冒険と謎解きが交錯する壮大な物語が展開します。(理)
平安京は眠らない わかむらさきの事件記 (中公文庫)『平安京は眠らない わかむらさきの事件記』
夏山かほる(中公文庫)
サイン本
創作に悩む若き紫式部(小姫)が、都大路で起こる不思議な事件の「種」を求めて奔走する連作ミステリー。好奇心旺盛な受領の娘・月乃、調べものが得意な牛飼童代わりの鶴丸と共に活躍する、愉快で爽快な物語です。(理)
後宮の薬師 平安なぞとき診療日記 (PHP文芸文庫)『後宮の薬師 平安なぞとき診療日記』
小田菜摘(PHP文芸文庫)
サイン本
長安から渡った胡人の父に医術を学んだ博多育ちの娘・安瑞蓮。腕を見込まれ、京の後宮で治療を任されますが、治せない病や後宮での対立から事件に巻き込まれていきます。ライトノベルの名手が描く、医術と謎解きの平安ミステリー。(理)

おすすめした人:(理)理流、(西)西山ガラシャ、(橘)橘かがり

神保町界隈にお越しの際は、ぜひ「ほんまる」にもお立ち寄りください。
思いがけない本と出合えます。